2020-09-30中国(鳥取砂丘 etc)
「砂と風の、永遠の夢幻」を見た日。【鳥取砂丘】前編
さて、先日松江を取り上げたけど【しっとりと水に潤む街】 、その前に訪れていたのが、この地。2009年4月の旅だ。
そして、これまで数多く旅した中でも、特に強烈なインパクトを残してくれた。
その時の臨場感を出す為に、そのまま過去ログを掲載してみよう。
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国内旅では、満月の頃にタイミングを合わせて旅を組み立てる事が多い。
僕にとって月に1度訪れる満月の日は、特別な「天空の祝祭日」なのだ。
と同時に「祭りの日」でもある。
だからこそ旅をする。全てを忘れハイになり、心の中をリセットするために。。
更に、月に1度というサイクルも丁度いい。
仕事やライフプランを組み立てるのに、毎月というのは全ての基本になるからだ。
その中で頂点に来るのが「満月の日」。
もちろん月は太陽に比べると、余りにもデリケートな存在。ちょっとでも曇ると、顔すら出してくれない(≧∇≦)
なので、この祭りは「雨乞い」ならず「月乞い」でもある(笑)
でもだからこそ、ピタッとはまった時に大きな感動を与えてくれるのだ。
そして、砂漠はずっと憧れだった。 古くは、映画「アラビアのロレンス」への憧憬。。
更に最も多感な時期に影響を受けた、アルバム「キャラバン・サライ」。
もちろんサンタナの代表作で、 「ブラック・マジック・ウーマン」は今でも時おり口ずさむ。
日本にはない広大な世界。 「虚無」の中にある幻想的で甘美なシーン。
砂しかない世界では、太陽と月が、 どの場所よりも神のように巨大に鎮座しているはずだ。
砂丘型の砂漠は、とにかく魅力的♪ アフリカのサハラ、ナミブ、、あるいはアメリカのホワイトサンズ、ブラジルのレンソイスと、、是非これから行く機会をつくりたい。
※その後2018年12月に、モロッコでサハラ砂漠を歩くことに。
でも、メチャクチャ規模が小さいだろうけど、日本にも鳥取砂丘がある。
こんな気軽に行けるミニ砂丘に行かない手はない。
で、実際どんなものだろう? そんな好奇心を持ってこの地に立った。
なるほどぉ、この規模かぁ。いいじゃない。全然悪くない♪
前方に見えるのが「馬の背」といって、この砂丘のメインスポット。
丘の頂上まで、だいたいこの入り口から片道30分ぐらいで。
観光用のラクダを前にワンショット。これだけ見ると、とても日本には見えないでしょ(笑)
ラクダは不思議な動物だ。砂漠の象徴のように、ここでは絵になる。
しばらく歩くと、バックに日本海がクッキリと見えてくる。
この不思議なバランス感覚も個性があって面白い。
途中の「オアシス」という水が溜まる場所。
これにはビックリした! 思いもかけなかった事!!
やはり来てみないと分からない、、こんなサプライズが待っていようとは♪
更に反対側に回って、その美しさにドキッとした! まさかコレが見れるとは・・・。
まるでブラジルのレンソイスを髣髴とさせる。(@_@;)
ボリビアのウユニ塩湖、ギアナのエンジェルフォールと並んで、僕が一番行ってみたい南米のBEST・3の一つなのだ。
砂だけの世界に、ポッカリと現れた水辺の不思議さ。
光の粒・穏やかな波が、事のほか美しい。そこで育まれる生命の営み、そして鳥の囀り。。
「砂丘」という地では、何の変哲もないモノが、また違った新鮮さ に映るのだ。
規模的には、1000分の1かもしれない(笑)
でも、今この瞬間に自分が受けたインパクトの大きさ は、同等だ!
一歩一歩、丘に登っていく。頂上の一角は、海の青さと砂だけの世界。
シンプルだからこそ、様々なイメージが湧いてくる。。
??? ただ見たかった美しい風紋はどこにも広がっていなかった・・・。
砂が全て踏みくちゃにされ、グチャグチャなのだ ̄○ ̄;)
らくだ業者の人に聞いたところ、雨や雪の日から数日経って砂が乾燥し、強風が吹き荒れた日の早朝の誰もいない時にのみ、観光客の足跡が全て消え、それは現れるという。
チャンスは滅多にないらしい。。
それでも丘の上の風はとても強い。でも、こんな程度じゃ、どうしようもないらしい(;>_<;)
今回は見れないのか・・・。
いったん宿に戻り、今後の予定を組み立て直す。
今の昼間をロケハンとして考えるなら、広さやエリア等は充分に把握できた。
これからの「夕暮れと月の出」、そして明日、早朝の「日の出と月の入り」に向けて、再度アタックしてみよう。宿からの都合3回の往復。
かなりハードだけど、それだけの価値はある。
そして体勢を整えてから夕暮を目指し、再度挑戦だ!
じゃっかん風紋の残っている所を愛おしむように踏みしめ、もう一度丘の上に立つ。
刻々と太陽は沈み、「虚無」の中で、今日のハイライトを待つ。
さすがに観光客の姿はない。・・・静かだ。。
自然界は雄弁に物語を語る。天空の色彩の変化が、実に心地いい。
海に沈む太陽もいいけど、おそらく広大な砂丘の地平線に沈む太陽は、とてつもなくシュールだろうな。
・・・な~んて、「まだ見ぬこれからの壮大な旅の事」を夢見ながら。
太陽が刻々と色彩を変えていく。不思議な赤い球体。。
大気を染め上げていく、濃密な時間と終焉のまどろみ・・・。
太陽が沈んだ後、あたりが一瞬コバルトに染まる。僕の一番好きな時間帯。
そして東側から月が昇ってきた。
残念ながら方角的に砂丘の上の月ではないけど、今年に入って、ようやくじっくりと月と対峙できた気がする♪
自由に心を浮遊させてみる。 「解き放たれる事!」。それこそが「旅」だ!!
この日はコレで一旦宿に戻り、鋭気を養い、翌朝3時に起床。
最後のワンチャンスに賭けてみよう!
※後編に続く