2020-10-03関東甲信(河口湖 etc)
鯉が民家の間を泳ぐ、しっとりとした蔵の町で。【栃木市】
日常の慌ただしさに疲れ「静かな水のある町を、フラッと散策してみたい」という衝動が、たまに来る。ただ、よっぽど余裕がない限り、日帰りできる「小さな旅」が限界だ(≧∇≦)
それで蔵の街・栃木市に、これまでにも何度か行く事に。
今回は以前に行った時の過去ログ。ただ始めて行った時なので、今見ても新鮮に感じる。
まずは表通りを。観光地として「造られた」ところは、さっさと素早く通り過ぎて、と。(笑)
どんどんdeepに中に分け入っていく。
この街ならではの個性と情緒が、ほんのりと漂いだした。
更にス~と頭の中をカラッポにしていく。すると、いろんなものが見えてくる。
僕には、年輪によって刻まれた偶発的なマチエールに、
深いメッセージと「美」のようなモノが込められているように感じられるのだ・・・。
そして、ちょっと一休み。
コーヒーひとつでも、その皮面に、旅の心を映し出してくれる気がする。
町には、ひっそりと流れる川が必要だ。
それが透明で在ればあるほど、「いい町」だと思う。
そして更に、ごく普通の民家の間を流れ、鯉がさりげなく泳いでいれば申し分ない。
城跡のお堀、あるいは公園の池では意味が無い。
道端の「そのへん」を泳いでいるからこそ素敵なのだ。
家の台所の裏の川に、普通に鯉が泳いでいる街・・・。とてもシュールだ♪
鯉とは不思議な魚だ。
その不思議さが何なのかがよく分からないほど、不思議だ。(笑)
水のゆらぎ は、日々の精神に絶対に必要なものかもしれない。
そういえば土地のおばあさんが、静かにじっと水面を見ていた様子が、実に印象的だった。
舟がスッと通り過ぎていく。
そして、夕暮の斜光を帯びた風景の中に溶け込んでいった・・・。
すっかり陽が落ちた。残照が街全体を、しっとりと包み込んでいく。
橋のたもとで、ボ~と立ち尽くしていた。
そして、ポッと心に明りが灯った。見知らぬ街、旅人、さすらい……。
夢の世界に漂っているかのように、それはとても心地のいい時間だった。