2021-03-26全国さくら漂流
さくら漂流 (夕桜~夜桜)【花見山、そこは福島の桃源郷】後編
※前編からの続き
3)大気が染まる夕暮こそ桜時間。『夕桜』
茜色に染まる夕暮と桜のハーモニー。実は僕が一番好きなシーンでもある。
うっすらとピンクがかってはいるけど、ほとんど「白」と言ってもいい桜が、大気の光でピンクに染まっていく瞬間。
それはまるで桜の花びらを借りて、自らの心を染め上げていく「刹那の美意識」のようにも思う。桜がもっとも桜らしく、はかなくも艶のある時間帯だ。
4)夜桜、そして祭り桜……日本的情緒に酔う。『夜桜』
夕暮の桜が一瞬の美のクライマックスであるなら、夜、人工光に照らされた桜は、『ハッ!』とする程の妖艶な姿に変わる。それは、人の心の奥底を映しているといってもいい。
残照後、ほんの一瞬空がコバルトに染まる。桜のように、はかなくも美しい時間帯♪
夜桜、それは日本人の心の奥に必ずある造形。そして自然に対する畏怖の念。
ふと見ると、公園のとなりにある神社で桜祭りをやっていた。「桜と祭り」、これもとても相性がいい。
「桜」。それだけで人は酔える。さりげなく程よく、賑やかに静かに……この旅のラストを心地よく締めくくってくれた。
そして旅人は満足し、深い深い陶酔に入っていくのです……。
長い冬を終えて、今か今かと春を待ち望み、短い春に一斉に咲き誇る東北の桜。だからこそ、その美しさもまた格別なのだ。
ちなみに行く予定だった三春という地の名は、梅、桜、桃が同時に開花し、3つの春が一度にやってくるというトコロからこの名が付いたという。 なるほどぉ。
この時期の【福島・花見山】の桜は、5~7部咲きの、まだまだ初々しい桜だった。その為、散り際の風に舞う桜吹雪と花びらのジュウタン、池の水に浮かぶピンク、そして月齢的にも月桜はちょっと無理だった。
唯一、翌日の早朝3時に起きて、開けた川ベリに行き、東の空が晴れていれば、23夜の半月と桜との競演も不可能ではなかったのだけど。。
ただ、さすがに前日1時間しか寝てなかったのと、当然その夜は居酒屋だった。地の物と地酒を飲み、仕上げにご当地・ちぢれ麺のラーメンに舌鼓を打って、ホテルに帰ったのが24時を回っていた。
結局、翌朝眼が醒めたのが5時。もう太陽が顔を出し始め、タイムアウト……。
でも、上記の「風桜」「地桜」「水桜」「月桜」は、今後何らかの形で改めて心に刻み込みたいと思う。
そして、旅先でふとこんな事を想った。日本人って、なんて桜の好きな国民なんだろう!と。日本列島を桜前線が北上するこの季節は、桜で埋め尽くされている。もうホトンド桜一色といってもいい。
そこで、日本人が寄って立つ、他の国の追従を許さない「四季を映し出す心の4大テーマ」というのを考えてみた。
まず当然、春の桜。そして初夏のホタル。更に秋の紅葉。最後に雪化粧の冬。
もちろん花なら、梅や藤やアヤメもとっても日本的情緒に溢れている。そして夏の高原の詩情も、もちろん素晴らしい。でもギリギリに削ぎ落としていって、究極の4つに絞ってみた。いかがです?
◇ ◇ ◇
改めてブログにアップすると、その時の情景が甦ってきます。過ぎ去った時間がこの場を通して再度生かされるなんて、嬉しい事ですよね。
これからも当ブログを通して、見に来て下さってる方々と、ささやかながらも「感動」を分かち合いたいと思っています(^-^)