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2025-01-21東北(サファリパーク)

赤銅色にモルトは染まる。(白河・南湖)【蘇る記憶の玉手箱02】

さて今回は福島の白河だ。ここはまさに東北の入口。この時の季節は初夏なのだけど、今の気分にピッタリなので。

 

季節が夏に向かう程、爽やかな涼風が吹くエリアに目がいき、行きたくなる。

 

そして仕事の合間に地図をながめ、次どこへ行こうかな~?なんてやってる時が一番楽しく、ハードな日常の疲れも癒してくれる。

 

新幹線が止まる駅でふと見つけたこの白河は、歴史もあり、調べれば調べるほど奥行きが感じられた。駅から程近い所に南湖という湖もある。よ~し、いざレッツゴー!!

 

正直、大正解だった。今、「グリーンツーリズム」という事で、里山や漁村の田舎にフラリと訪れることが、ひそかなブームだという。

 

分かる! とても充実した時間を送れる。

 

まず駅に降りたった時点で、最近は年輪を積み重ね、その土地の良し悪しを把握できるほどになってきた。

 

バスで40分ぐらいの所に甲子高原という新緑爽やかなエリアを持つこの土地だが、今回は街をくまなく巡ってみようという事で、さっそく自転車をレンタル。

 

そして1つの目的だった白河ラーメンに舌つづみを打つ。有名な喜多方で120軒に対し、ここは90軒となかなか肉薄しているのだ。

 


田んぼの造形が美しい。

 


流れる小川に咲き乱れる花々の、なんと可憐なことよ。太陽の光は強く夏のものだが、標高の高いこの土地では、それすらも爽やかに浴びることができる。空気が美味い。

 


自転車でフラリと景色を眺め飛ばして行けば、気分はすっかり「サスライ人」の心境。見るもの全てが新鮮に映る。

 


最大の目的地だった南湖に到着。

 


ここは白河城主:松平定信が造り、身分を超えて領民に開放したことから「日本で最初の公園」とも言われている。

 

街の中にある湖としては、素晴らしく風格のある湖だった。へたすると、ある種の山の観光地の湖よりも、遙かにいいかもしれない。

 


こんな水辺が街の中で、住む人としっくり溶け合っているのだから、ここはいい土地なんだなあとつくづく思う。

 


ふと湖畔の和風カフェに入る。

 


ここも良かった。しっとりと湖に寄り添うようにコーヒーが飲める。

 


その後、花や蝶や糸トンボを見たり、

 


湖畔を一周したり、昼寝をしたり。充分白河を堪能できた。

 


そしていよいよ暮れなずむ湖にボートを借りて繰り出す。僕1人だけだった。なんという贅沢!広い南湖を今日は貸切ろう。

 

30分でひとくぎりなのだが、そのボートの主は、『まあ好きなだけ乗って下さい』と言う。観光客はあらかた帰ってしまった夕暮、何よりもありがたい言葉。

 


『この時間帯が一番いい時なのにねえ』と僕が言うと、『昔は今ぐらいの時分は、いっぱい乗る人がいたんだけど、遊び方が変わってしまったんだろうねえ・・・』と。。

 


ボート上から見る夕暮は絶品だった。

 


おもむろに持参したシングルモルトを取り出し、まずは今日の夕暮に乾杯だ。

 

クライヌリッシュ14年・46度。このスペックだけでも只者ではない、僕が一番愛飲しているハイランドモルト。遙かスコットランドの湖沼地方と、この湖が時空を超え、モルトを通してシンクロする。

 

これは地球最強の火の水。

 

ゆらりゆらりと「南湖夕暮BAR」のできあがり。出色のBARだった・・・。

 

仕上げはボートの主が教えてくれた居酒屋「心」に立ち寄る。やはり地元の人に聞くのが一番いい。店の雰囲気といい、肴といい、板さんの気っぷといい、全てを兼ね備えていて最高だった。

 


この店に寄る目的だけでも、白河にまた来たいと思う程の店。よく行く下田の「イワサ」もそんな店だが、絶対に東京にはない静かさと穏やかさと旅の味がある。

 


持参し、新幹線の車中で読んだ森本哲郎氏の「空の名残り」がまさにこの旅を代言していたのかもしれない。

 

一日のうちで夕暮に何よりも心惹かれる、と・・・。

 

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