2025-09-09イギリス縦断の旅
湖水地方とは何か? 朝霧の沸き立つ湖面にて【イギリス・03】
今回はエジンバラから南下して、いよいよこの湖水地方を。行く前から期待と想像が膨らみ、とても楽しみにしていたエリアだ。
というのも、日本での「夏の高原への避暑」というのは、もう僕の絶対的定番! 森と湖、そして草原と原生花。
人の少ない静かなる大自然の私情。。ほとんど行き尽くした感のある日本のそれと比較して、『さてどうなの?』と。
この少し前にスイスアルプス、更に前には北米のイエローストーン、ヨセミテ、それ以前にも、NZのミルフォードトラック、氷河湖、カナディアンロッキーetc.と行ったけど、日本と比べての違いがとても面白く興味深かった。
日本だって、個性や美しさでは少しも負けてないけど、ね。
そして、この標高の低いなだらかな草原の湖水地方。地形的には今まで経験した事のない「高原」ならず「低原」(笑) それなのに高原の情緒があると。。不思議だ……。
宿は、この湖水地方の中心的存在のウィンダミア湖ではなく、はるか北のアルス湖の畔にあるホテル。
これはほんとラッキーだった。 前者は観光シーズン故に人が多く、ちょっと風情に欠ける。おそらくこの地の底力を知るには、やや俗化している感がある。
それに比べて後者は訪れる人も少なく、ある意味「湖水地方とは何か?」の真髄を、ある程度感じさせてくれた気がする。まだまだこの地方のエリアは広く、もっともっと奥が深いだろうけど。
そしてそんな立地のいいホテルに泊まり、早朝まだ暗い内から湖を散策できた事はほんと嬉しい今回のハイライトだった。
僕は常々その土地の本質を知るには、最低でも24時間その場に居なければと思っている。
特に重要なのは早朝の日の出前。誰もいない中で、自分とその土地と1対1で向き合い、サシで会話ができるから。
朝霧が、絵画のような情景を演出してくれた

暗い内から歩き始め、しばらく経って、ようやく大気が青く染まり始めた。
夕暮後の一瞬もそうだけど、光が安定して続く昼間と違って、このトワイライトな時間帯は全てが刻々と変化する。それは自然が様々な表情を見せてくれるプレミアムタイムなのだ。

だから何もかもがドラマチックであり、「地球という星」そのものが雄弁に語りかけてくれている気がする。

日の出前の朱を湖面に映し、霧の中を白鳥がス~っと横切っていく。

まるで尾を引く波が、静かに過ぎていく「時間の航跡」のようだ……。

全体にボワ~っと、ホワイトイメージ的に水蒸気に包まれている。

丘にも沸き立つ霧が。まるで自然が創り出す『静寂と始まり』という名の舞台演出のよう。。

ポツンと見える石造りの家、どっしりとした樹木、彼方の森、草原の広がり、大気の蒼い色、重い光と影とのバランス。。

このシーンで、ようやく『湖水地方とは何か?』に、少し触れられた気がした。

この場合、言葉よりも写真が雄弁にその世界観を語ってくれている。
朝陽が射すと、全く新しい情景に生まれ変わる

厚い雲の上からようやく太陽が顔を出した。早朝故に、けっこう寒かったのだけど、この暖かな温もりがとても心地いい。

さっそく腰を下ろしてブレイクタイム。「マイ・シークレットBAR」の始まりだ。僕は気に入った所があれば、そこを「MY特設BAR」にしてしまう主義(笑)
酒はもちろん持参したこの地方のスコッチ、アラン14年・46度。このスペックだけでも只者ではない、最高に旨いシングルモルトだ。
朝酒っていうのも、「旅の自由な時間」の中では、なかなか乙なものなのですよっ!

そして太陽がぐいぐいと力強さを増し、辺りを見事なリーフグリーンに染め上げる。

いつもはただ黙々と草を食べている印象のヒツジ達だけど、そうではない。彼らも嬉しいのだ。

ホテルはこの湖畔の丘の上に建ち、湖の岸までが敷地。ほんとに広い庭なのだ。特に高級ホテルという訳ではないのだけど、何かそれだけでも、とても贅沢な気分にしてくれた。
◇ ◇ ◇
少し前に北海道の夏の礼文島に行った事がある。標高は300mぐらいの平坦な島。そこを、花々を愛でながらのトレッキング。吹く風や咲く花々は、まさに信州の高原。しかしすぐ下が紺碧の海。とても不思議でシュールな気がした。
で、こんな風に思った。
標高1300mの霧ケ峰を上300mだけ残し、下1000mを取っ払い、上だけストーンと大海原に落としたようだなと。
この湖水地方も標高300mぐらいだから、まさにそれ! 平地なのに高原に咲く美しいヤナギランが普通に咲いている。
「緯度の差」というのは、こんなマジックを平然とやってしまうのかと、改めて思ったのでした。
◇ ◇ ◇
今後は【イギリス縦断の旅シリーズ】として、ここに収納していきます。
そんな旅のエキスをオモチャ箱のように、ここに沢山置けたらいいなと思います。そして見に来てくれた方の、何か、これからの「旅のヒント」になってくれれば、と。
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