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2022-07-16城下町&タウン

霧にむせび泣く釧路は、ブルースだった(哀愁ただよう北の町) 

しばらく直近の旅が続いたので、今回は以前の今の時期に行ったこのテーマで。

 

町をあてどもなく、さまよう事が好きだ。それも見知らぬ町がいい。ちょっと前までは、外国のそればかりだった。ある時はギリシャの名もない町だったり、カナダのモントリオールだったり、トルコのイズミールだったり。。

 

その中でも、NZのオークランドが不思議と印象に残っている。 夜中、グラスに氷を入れ、スコッチを並々とつぎ、ホテルを出た。昼のヤケに健康的で白々しい町が、深い闇の中で豹変する。

 

夜のもう一つの顔。異人種の多い町なので、様々なニュアンスの店が混在している。雑多な民族のウゴメキが聞こえる。。

 

ふと、とある店のディスプレイにクギズケになった。思いっきり破壊的で「パンク」を主張している店。昼間なら、それほど気にもかけずに通り過ぎるところだろう。が、誰もいない閉じた店の暗闇の中で、にぶい明りに照らされたそれは、ひとつの「作品」たりえたのだった。そしてグイグイと引きつけられていった。。

 

この時間帯は僕にとって、もっとも充実したグラス並々一杯分の「アウトサイダー」なBARなのだ。

 

それを例に取るまでもなく、町の徘徊は真夜中がいい。そして陽が顔を出すまでの朝焼に包まれたシャープな早朝、これもいい。白日では、どこかノッペリとした「いわゆる観光地的」で退屈な町も、その時間帯に本質が見えてくる。

 

そう、深い町の「うめき」のようなものが……。

 

そして最近は、日本の町にも興味が沸いてきている。エキゾチックさやインパクトの強さでは、とうてい外国の町には及ばないが、僅かに垣間見れる、その「隠された旅情と個性」を見つけ出すことが楽しいのだ。

 

◇ ◇ ◇

 

この時の北海道・道東を巡る旅の基点となった釧路は、前から来てみたかった町だった。イメージとしては、暗く霧に包まれた、重々しい港町。。実際、天気予報を確認すると、他はカラッと晴れているのに、ここはいつだって雲か雨。でも、それもいい。今はそれも悪くない。

 

僅かに一泊だけの半日で回ったのだけど、旅人が「感じる」には充分だった。そんなシーンを再度ここにUPし、もう一度味わってみよう。

 


出発便が遅かったため、空港からリムジンで町に着くと、もう日も傾き始めていた。即刻市場に行って魚を眺め、寿司を食べた。タコの卵巣という珍味は絶品!

 

その後ホテルにチェックインし、外に出ると、もうすでに日も暮れかかっていた。重苦しい工場のような漁港を、夕陽がゆっくりと染め始める。。

 


すぐに幣舞橋に向かった。ここは、この街のシンボル。

 


4体ある彫像が夕陽によく映えていた。春夏秋冬をテーマに、4人の彫刻家が創ったものだという。

 


『来たな、釧路に!』 ようやく旅の実感が湧いてきた。

 


その後一瞬、全天がコバルトブルーに染まった!

 


ライトアップされた彫像が、静かに何事かをささやき始める。。

 


月が出ていた。まだこの時は十二夜の月。それが今回の「月旅」の幕明けのシーンだった。それ以後、満月をピークとし、様々な所で月が夜を照らし、語ってくれた。

 


この橋が架かる釧路川の河口。川面に映る月と明かりの波光の競演が、とても美しい。いよいよ深い「夜」の始まりだ。

 


その河口付近にあった炉端の屋台。

 


遠洋漁業用の大型船の野太いエンジン音。それが猛獣の唸り声のように辺りを支配する。

 


とある炉端の店に入った。じっくりと炭火で焼き上げる事で有名な店だ。

 


サンマの刺身と焼きサンマ、生ウニとシシャモに似た魚の焼ものを注文する。

 


地の日本酒を飲みながら、年季の入った主人の焼く動作に、じっと見入っていた……。

 


店を出ると嬉しい事に霧が出ていた。

 


いよいよ「霧にむせび泣く釧路」の真骨頂だ! 真夜中の彷徨が始まる。

 


町の灯を反射する霧で、オーロラにすっぽりと覆われたような町。

 

ブルースだった。

 

つい数時間前に着いたばかりだったが、もう旅人はこの土地にどっぷりと浸り、「旅の物語」の中に迷い込んでいく。。そして岸壁に座り、じっとその状況が奏でる音を聞いていた。

 

酒は当然シングルモルト。アイラのボウモア、マリナーの15年。この日のために用意した酒だ。港の潮風をモチーフとしたその味は、けむり臭くカモメ臭く、限りなくこの街に溶け込んでいったのだった……。

 


翌日の早朝は更に深い霧に包まれていた。小雨まじりの冷たい霧。。まだ8月だと言うのに寒いくらい。これはまるで、柳ジョージの「雨に泣いてる」そのものだな、と。(実は僕のカラオケの十八番なのです・笑)

 

しっとりとした、いい朝だった。

 


彫像も、また別の色と表情を見せていた。霧の街に、改めてよく似合う。

 


行き交う小さな漁船とカモメ。この釧路は徹頭徹尾、漁業の街なのだ。

 


そして、この旅はまだ始まったばかり。

 

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