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2020-09-20温泉&露天風呂

歴史ある良質な温泉とは、ある種の聖地だ【法師温泉 長寿館】

4年ほど前の3月。一つの温泉宿にターゲットを絞り、とことん「湯」にこだわり、浸かってきた。
宿は群馬・猿ヶ京の更に先の法師温泉:長寿館。秘湯と言っていい。
そして昔から一度は行ってみたいと思っていた宿だ。

 

JRがまだ国鉄だった頃。フルムーン・キャンペーンのポスター(高峰三枝子と上原謙)と言えば、ピン!とくる人も多いはず。
その明治28年に造られたイニシエの大浴場に、不思議と心が向かったのだった。

 

それにしても驚くほどの人気宿だ。希望の日程では平日でも満室だったので、予定を変更するほどに。でもそれは、とてもいい事のように思う。
こういう時代だからこそ、人々は薄っぺらく増殖する物よりも「本物」を求めているのだから。。

 

では「法師温泉 長寿館」をじっくり見ていこう。

 


明治8年建造の母屋は、奥深い歴史の匂いを放っていた。

 


奥の看板も当時のままだろう。

 


ドアを開けると、明治時代の民家風ロビーが迎えてくれる。
あくまで、これがメインのロビーなのだ。

 


そうそう、このポスター。調べてみると1981年制作のものだった。
僕が多摩美を卒業した年だ。「広告」というものが、まだ華やかだった頃。
広告業界に身を置く自分にとって、今回は密やかな法師温泉 長寿館への巡礼の旅だった。。

 


※HPからの借用画像。

これが、そのロケに使われた法師乃湯。脱衣所が男女別の混浴だ。

 

昼間は人が入ってくるので、当然撮影は控えた。僕は露天風呂派なのだけど、そんな事はどっかに吹っ飛ぶほど、この鹿鳴館風の内湯には魅せられた。
玉砂利が敷かれた、温めと熱めに間仕切られた湯に代わる代わる入ると、もう脳髄が蕩(トロ)けるようだ・・・。

 


※HPからの借用画像。

これは平成12年に新設されたもう一つの湯、玉城乃湯。
奥には露天風呂も併設されている。正直これにもまいった。。
ここまで隙がなく、様式美的に完成された湯は初めてと言っていい。そして心底感動した。

 

シンメトリーという意匠的概念が、いかに精神の安定に寄与するか。
それが湯に浸かった非現実の空間の中で、はっきりと分かったのだった。

 


更に、夕食後に一眠りした後の深夜1時。

 


誰もいない湯に一人浸かった。

 


この時間帯に入る湯が、僕の一番好きな空間。
まさに「温泉」という「非日常的空間」にワープする時だ。もちろん玉城乃湯でも。

 


そして、更にもう一つのプレミアムタイム。早朝の日の出前の5時。
少しずつ闇の世界から、大気に光が混ざる時。

この時間になると、もう誰か他の客が入ってくる事が多いけど、この時はまたしても貸切だった。
玉城乃湯では正面にゆったりと浸かる。何という贅沢。。
まるで江戸城の天守閣にいる殿様になったような気分(笑)

 


この法師温泉 長寿館の露天も、とても気に入った。それ程広くはないけど、自然に溶け込むような岩の配置が絶妙だ。
そして湯が滝のように流れ落ちる湯出処が僕の定位置となった。
通常露天の湯出処は熱いのが普通だけど、ここは時おり丁度いい温度になる。

 

滝に打たれる事が修行僧の荒行であるなら、これはもう一つ別の、心の中の悟りを開く「行」。
水しぶきに光が当たってキラキラと、まるで花火の中に身を投じているかのような
シュールな体験だった。。

 


完成度が高い。ひたすら高い・・・。この「湯の文化」は、いつまでも守ってほしい。

 


部屋に戻ると、歴史という素粒子の気配が、雪のように降り積もっていた。。

 

法師温泉 長寿館。。山深い秘境に、僅か一軒だけ建つ現代の秘湯。
その、日本が世界に誇れる文化的遺産の真髄に触れる事ができた。

 

改めて言おう。歴史ある良質な温泉とは、現代における「ある種の聖地」だと思う。

 

公式サイト【法師温泉 長寿館】

 

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そんな旅のエキスを、ここに沢山散りばめられたらいいなと思います。そして見に来てくれた方の、何か、これからの「旅のヒント・キッカケ」になってくれれば、と。

 

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