2020-09-20海岸&シーサイド
冬の陽だまりに咲く湘南ロード。(チャリで逗子マリーナへ)
流れていく、風の中を。冬の穏やかな光に包まれ、気分も風景も現象も何もかもが……。
心がス~っと開放されていく。
取り留めのない曲をハミングする。自分でも『えっ?』っていう曲を、無意識にくちずさんでいる時が一番楽しい。
この時は、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「雨を見たかい」という懐かしい曲。
甘酸っぱい郷愁が風に流され、一瞬一瞬が全てに自由で気ままな旅だった♪
その先に何があるのか? たいした目的地もない。
ふっと感じるインスピレーションさえあればそれでいい。店のファサードや海の光、人の姿、それらが綺麗だなと感じる風景となって、ただ現象として流れ去ってさえくれれば……。
◇ ◇ ◇
その日、湘南を自転車で流していた。スタートは逗子。
そして今回は西に進路をとり、鎌倉の方へ向かった。(東の進路は葉山だ)
特に目的地の無い気ままな旅だったが、一つ行ってみたい所があった。逗子マリーナ。
ここにはホロ酸っぱい思い出がある。
まだ多摩美の学生だった頃、ここをロケ地として映像を撮った事があった。
当時は極貧の学生で、海外旅行もまだ。「南の島=リゾート」への憧れを、東京の近くで一番体感でき、生でイメージできる場所がここだった。
そびえ立つようなパームツリーの道。海岸沿いの潮風を含んだエキゾチックな陽光。
その映像とは、男が一人ただ向こうから走ってくるだけのシンプルなコンテ。BGMはキャメルの「ブレスレス」。
そして無事撮影が終わった後、クラブハウス越しに、真っ青に染まった「コバルトの大気」を見たのだった。おそらくその日、夏の日の夕暮の後に気まぐれにやってくる、その一瞬の「不思議なブルー」を、意識として初めて見たような気がする・・・。
約30年ぶりに通りすがった逗子マリーナ。
その年月を視覚で捕らえる事ができる訳だから、やっぱり『年輪を重ねるのはいい事』だ!
椰子の木は当時のままのようにそびえ立っていた。ちょっとシュールな感触・・・。
そしてGRAND BLUEという店の前で、しばしの休憩。
当然、当時はなかった店だけど、今回は情報としては知っていた。
エーゲ海のミコノスをベースに、メキシコのカボサンルーカスを混ぜ、チュニジアのエキスを数滴垂らしたカクテルのようなテイストだ。
更に海岸線を行く。冬の海は、一年で一番「心の中の青」が見える。
ふっと「何か」を感じた店を愛でながら、風のように流していく。感じれれば、それでいい。。
だからこその陽だまり。その中にある「イメージとしての夏」が心地いい。
「気取らない、漂白されたようにカジュアルな手造り感」って言ったらいいのかなぁ♪
陽が傾き、海には照り返しの光がキラキラと。目の覚めるような青は期待できなくても、この時間帯になると、湘南の海は俄然存在感が出てくる。
この日は、材木座、由比が浜、鎌倉と進み、Uターンして、また帰りにマリーナに寄る。
同一場所での色彩の移ろいを感じる事・・・それもまた旅の醍醐味。
そして最後まで、その色を見届けよう!
夜になる前の、トワイライトな時空の中に漂いながら。
ギリギリまで、本当にギリギリまで・・・。
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美大生時代の逗子マリーナの思い出の回想が、とても興味深い。
そう、この時すでに「南の島」への強烈な憧れが宿っていたのだろう。
そして、このささやかな旅の空気感や情景が、ブログを通して蘇ってくる。
それはとても心地いい、不思議なインスピレーションを放つ。
更にもう一つ。学生時代、毎年夏に仲間たちと伊豆七島の式根島に行っていたのだ。
新島でも神津島でもなく、七島の中では一番小さい式根島に。
僕にとっては、当時唯一行ける事のできた「仮想・南の島」だった。。
そしてこの当時の「小さい事へのこだわり」も今振り返ってみると、とても面白い。
何せ、今や「世界で一番小さいリゾートアイランド:ジープ島」をプロモーションしているのだから、ねっ( ̄▽ ̄)b