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2020-10-28中国・四国 (鳥取砂丘)

四万十川を、一日70kmのサイクリングで走破!そして月に酔う

四万十川への「小さな冒険の旅」 (前編)

 

2006年12月。この時の旅も、ある種のインスピレーションから始まった。
まだ足を踏み入れた事のなかった四国。そして前から行ってみたかった四万十川。
そして、流れ着く黒潮の太平洋。土佐の風土と酒、旨い肴、地元の人との語らい。
こうして旅の輪郭が形造られていく。。

 

ただ一番の根っ子には、故・立松和平氏が四万十川についていみじくも言った言葉にあった。
『この川がダメになったら、日本の川は全てダメになる』と。。
日本人がずっと心の拠り所にしてきたハズの、美しい川の文化。
その「最後の清流」と呼ばれるこの川を早めに見ておきたい。『行ってこの目で見るタイミングとしては今しかない!』と。

 

そして僕の、四万十川への「小さな冒険の旅」が始まった。。

 

そしてもうひとつこの川に惹かれた要因として、嵐山光三郎氏のエッセイにもヒントがあったのだ。
『この川には自転車でも走れる素晴らしい道がある。
それは、ピカピカ光線の中を進み、目で味わい風の言葉を聞ける道程だ』と・・・。

 

羽田発7時台のフライトで松山から入り、宇和島まで特急。そこからローカル線に乗り換え、中流域のサイクリング始点の小さな街:江川崎に着いたのは昼過ぎだった。
ここで1泊して、翌朝から片道約70Kmの長丁場だ。平坦な道なので問題はないが、ただ寒い。。とにかくひたすら寒い・・・。この山間の地は恐ろしい程冷え込む。
朝は0度。「南国土佐」どころか、まるで「寒国土佐」のようだ(笑)

 

カヌーもこぎたかったけど、時間の余裕がなかった事と、さすがに沈した時の事を考え、今回は断念。。山間の地はこの季節、16時でもうまっ暗になってしまう。
土佐の酒と旨い肴で、まずはこれから始まるツーリングに向けて充分に体調を整える。

 

 

四万十川を、さあ出発だ!

 

出会い頭、まずはこの川の「凛とした透明度」に驚嘆した!(@_@;)
僕もいくつかの川を巡ってきたけど、上流域の清流とは渓流であり、当然透き通っているのがあたりまえだという気持ちがある。
でも、たいてい中流域に入ると穏やかな流れに変わり、いろいろな理由で濁ってくるものだ。
それがここでは全く違っていた。。

 

こんな表現ではどうだろう。
例えば、山の中の素晴らしく透明度のいい湧き水の湖があったとする。
その湖を際限なく並べていった感じ。
川というよりは、その湖が連続して連なっているかのような不思議な光景・・・。

 


ピカピカ光線を浴びて、快調に走り出す。

 


大地から発する様々な「声」を聞きながら。。エメラルド色の水辺に、目が釘付けに。

 


静かに川は「物語」を語ってくれる。

 


川辺の、土星のような不思議な小宇宙。。

 


そこに架かるスレンダーで美しい沈下橋。
季節は12月の初旬。最高にオフシーズンなこの季節。どこもかしこも静けさに満ち、そして穏やかな冬の太陽の、喜びに溢れた光に包まれていた。。
バイクに乗った地元の郵便配達員と、川辺の僅かばかりの農家の人々や漁師達・・・。

 

おそらくこの日、この広大な四万十川をサイクリングし観光していた人間は、僕だけだったのではないだろうか。11月いっぱいでレンタサイクルは終わっていたのだけど、無理を言って特別に借りたのだった。
朝晩の寒さだけをガマンすれば、静かで開放感が必要なツーリングには最高の季節かもしれない。

 


繊細な竹林越しに見る、輝く川がいい。

 


んっ?と思ったら、シャッターを切ろう!

 


川と共に素朴に暮らす人々。。

 


なんか「歌」が聞こえてきそうだ♪

フィーリン・ホイーリン・・・。山川健一氏のエッセイ本「自転車に乗ろう!」の一節に
こんなフレーズがある。
『自転車で走る時のあの風を切り、滑るように前進する自由な感覚。あれは背中にツバサが生えた状態なんだ。あのボヴ・ディランのアルバム「フィーリン・ホイーリン」は、まさにこの感覚を歌ったもの』だと。。

 


シャレで、駅ではなくカヌー小屋。本日閉店。。

 


こんな遊び心に、思わず『えっ?』っと。

 


沈下橋は、増水時のこの土地ならではの工夫。シンプル&素朴で実にいい!

 

そしてこの日わき道も入れて、四万十川の下流にある中村の街まで約70kmを走破した。
当然、足のスジがおかしくなり、最後は片足だけで漕ぐようになった。
でも気分は絶対的に爽やかだった。
やはり綺麗な水辺は、人の心を徹底的に洗ってくれるのだろう☆彡

 


川面は光のマジシャン。波がないときは色のマジシャン。
移ろい行く、時の赴くままに・・・。ここでは、ゆったりと時間が流れていた 。。。

 


そして、目的地の下流域:中村の街に到着!

 


素晴らしい行程だった。

 

更に狙っていたのだけど、この日は満月。

 

四万十川の清流に映る月に酔う (後編)

その日、M’s BARを探して、四万十川を更に南下する。

 


ようやく酒を飲むのに最適の、取って置きの場所を見つけた。

 


西側では、夕陽が佳境に入っていく 。夕映え、そんな言葉がぴったりだった。

 

で、今回はこの四万十川の清流に浮かぶ満月を肴に、スコッチを飲もうと思った。穏やかで自然がまだたっぷりと残っている大河でなければ到底できないだろう。

 

そしてじっくりと「四万十川とは何か?」「自分にとって川とは何か?」「旅をする事とは何なのか?」・・・そんな事を思いながら静かに飲む酒の味は、また格別だった。

 


ふいに東側から満月が顔を出す。

 


これぞ、コバルトブルー・ムーン!

 


どんどん月が上がり、波光のパフォーマンスが続く。。

 


雲が月の光を受けて、「夢・雲」となる。

 


さあ、今宵は四万十川の月に乾杯しよう!

 

それにしても、一つ面白い現象がある。12月のこの真冬の寒空、屋外の荒野で酒を飲むなんて、よっぽど物好きだと思うかもしれないけど、全くそのとおり! 自分でもそう思う(爆)

 

ただ満月の日だけは、ちょっと特別なのだ。
夕暮も佳境に入り、太陽が顔を沈めると、とたんに寒さが厳しくなってくる。特に寒い冬空、、シンシンと冷気が襲ってくるようだ。

 

ただ、そこにポッカリと月が顔を出し、水面に美しい波光を描き始めると、不思議と体感温度が上昇するのだ!

 

月の光は温度を持たない冷光。。では何故? 僕はこんなふうに思っている。

 

その光で、ポッと心に灯火が差すのではないだろうか。体の奥深い芯の所に反応するかのように。。
視覚的なもの、あるいは感じる光のその美しい光景だけで体感温度が変わる??

 

やはり「心」や「気」の世界ってホント神秘的で面白いもんだなーと、つくづく思う。そして、どれだけこの光に励まされてきた事か。

 

『太陽が外界の外側を照らす光なら、月は心の内側を照らす光。』

 

更に新しい月との遭遇を求めて・・・。

 


早朝、「川の町」を散策する。西に沈んでいく月にお別れだ。

 


全ての輝きと、人生そのものを映し込んでくれる川面・・・。
翌日の3日目はドピーカンに晴れ上がった。いろいろと「川の町」を見て回り、そして念願だった下流へと下り、海へ出た。

 

四万十川、、源流地点から196Kmの大河。その内の約3分の1以上の70Kmを走破した事になる。自分の足だけで駆け抜けたゴールインでもあった。

 


海に出る。走り抜いた感慨に耽る。

 


その日の夕暮。何か「地球の声」を聴いた様な気がした。。

 

その海の近くは、平野浜というサーフィンのメッカ。時に凄い波が来るらしい。
その海縁のサーファー御用達の小さなペンションがその日の宿となった。話し好きのそこの主人と、その日はじっくりと四万十川と土佐の風土について語り合った。

 

北陸から20年前にこの地を気に入って夫婦で渡ってきたという主人。とても面白い人だった。照れて、とうとうカメラに収まらなかったけど(笑)

 


ペンション平野は、海の香りがした。

 


主人の釣果が今夜のおかず。今宵はマダイ。そして宝貝を始めて食べた。これにはかなり感激!

 


翌朝は、海がブルーに染まっていた。波が穏やかな時は、サーファーは来ないらしい。
潮騒・・・。

 


川と海、、この対比を心行くまで堪能した。

 

仕事の合間に、できるだけ時間を創って旅に出ている。これはもう人生の潤滑油のようなもの。僕にとってはなくてはならない時間だ。
そして夕暮れ、あるいは星や満月の下で酒を飲む。。これこそ至上の喜び である。

 

 

※関係カテゴリー紹介
エリア別国内スポットの【中国・四国】として、この地域を訪れたストーリーを展開しています。是非ご覧下さい。

 

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