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2021-06-27高原&湖沼

入笠湿原(富士見パノラマリゾート)で、霧が描く幻想的な色彩を

今回は、ちょうど同じ季節に訪れた、この入笠湿原を。

 

真夏の酷暑までには至らないにせよ、今はジメジメと蒸し暑く、雨も多い。晴れても、スカッと心地いい太陽光をなかなか浴びれない。なので、旅の地として「爽やかな高原の涼風」に、心は自然と向かっている。

 

皮膚感て、とても大事だと思う。その心地良さこそ、何よりもゴージャスだからだ。最近つくづくそれを感じる…。

 

ここはよく行く霧ヶ峰や女神湖の近くにありながら、遥か昔に一度だけ行った、記憶には薄い地。それだけに、まだ見ぬ期待感に心が躍った。
しかも入笠湿原(富士見パノラマリゾート)は標高が1800mもある。この高さこそが極めて重要だ。夏のこの時期、高ければ高いほど秘境感と「皮膚感の心地良さ」が増すからだ。

 

入笠湿原は、コジンマリとした可愛らしい湿原だった。


尾瀬ヶ原の10分の1にも満たない規模だけど、周りを山に囲まれて、なかなかムードのある湿原だ。小さいけど、多くの花や白樺が生え、小川が流れ、バランスがとってもいい。

 


この時期の主役はレンゲツツジ。

 


独特の朱色だ。

 


そして自生するアヤメ。前回ショウブ園を取り上げたけど、こうした自然の野に咲く花は、やはり一味も二味も違う。

 


更に、ウマノアシガタの群落もいい。それらの強烈な色彩の中に、白やピンク等の花も混じり、真夏とはまた違った味わいがある。これこそ6月の「高原の色」だ。

 


これは珍しいホテイアツモリソウ。

 

クリンソウの群落もある。

 


緑の中で、目にもとても鮮やかだ。

 


そして高原がホッと一息ついて「何か」を語り始めるのは、大勢の観光客の去った静かな夕暮れ。昼間とは全く違い、刻一刻と移り変わる情緒的で現在進行形の「色彩の妙」を感じる。

 

まさにこの時間こそ旅のプレミアムタイム。その第1弾だ。それを見る為に、今回は入笠湿原近くの山小屋に一泊という計画。宿はマナスル山荘。

 

霧によって、入笠湿原が神秘の姿に変わる時。


そしてプレミアムタイムの第2弾が早朝。この日は、入笠山の山頂で日の出を見ようという計画を立てた。

 

それで3時15分起床。不思議な胸騒ぎと、高揚した期待感で目が覚める。山小屋から外に出てみる。するとどうだ! あたり一面が深い霧に包まれ、まるで「謎の迷宮世界」に紛れ込んだかのようなムード…。

 

日の出は、この時点で諦めざるを得なかった。でも、もう一つの嬉しい選択肢がある。深い霧の中の湿原を見るという選択肢が。

 

行こう! 6月後半とはいえ、まだ真夏とは言えないこの微妙な時期。まさか霧が見れるとは思ってもみなかった…。

 


入笠湿原(富士見パノラマリゾート)は、まさに「神秘の次元」に包まれていた。昨日の夕暮の静けさとも違い、更に深い「閉ざされた空間」と化していた。

 


霧の中でレンゲツツジは、ハッとする程の色彩を見せた。露に濡れたアヤメも、その霧の中で不思議な色彩のビビットさを放つ。

 

太陽の光によって色は見えてくる。それが霧の微妙なフィルター効果で、また全然違う色彩を放ち、浮かび上がってくるのだった…。

 

今は写真を自分好みに加工する「フィルター効果」が花盛りだけど、自然界で起こるフィルター効果の極め付けは、この「霧」だろう。これこそ世界を麗しく変えてくれる。

 


早朝の霧がスッポリと湿原を覆う。深く、更に深く。。

 


霧の濃淡と太陽の角度によって、世界は刻々と変化し、様々な表情を見せてくれる。
十分堪能したので、さあ戻ろう。

 


この後霧の中、入笠山まで登った。標高1955m。雲海の彼方に見える八ヶ岳の峰々がいい。

 


そして霧が晴れ、太陽が顔を出した。暖かさと喜びを伴って…。
日の出こそ見れなかったけど、素晴らしく印象的な朝だった。

 

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