2023-07-24モロッコ一周 色彩の旅
カスバには、乾いた土の「廃墟の美学」がある|モロッコ旅_07
カスバ街道には、名曲「コーリング・ユー」がよく似合う
サハラ砂丘を後にし、一路 東西に伸びるこの街道を、分岐点の町:ワルザザードに向かってひた走る。今回はツアーバスの旅だったけど、レンタカーを借りて走ったら、ほんと痛快だろうなぁ。
時おり現れる幻のようなススけた町と、カスバの集合体:クサルの連なりが、より心に染みるだろう。ロードムービー的にねっ(´ー`)v
火を入れて石状化にしてある訳ではないので、雨が降ったら一溜まりもないだろう。ただほとんど降らない地域なので、これで大丈夫だという。何ともラフなスタイルで、いいよなぁ。
で、このムードを見て、ふと映画「バグダッド・カフェ」を思い出した。1987年のドイツ映画の名作だ。バグダッドとはいえ、舞台はラスベガス近くの砂漠。そこにポツンとある、うらぶれたモーテル兼カフェ。
そのストーリーも面白いのだけど、何と言っても全編に流れる物憂げなテーマ曲「コーリング・ユー」がいい。おそらく一度は耳にした事があるのでは。僕も映画を見て初めて知ったのだ。『あっ、あの曲だ!』と。(@_@;)
旅は渦中のライブが、もちろん一番。でもこうしてブログで振り返ってみると、また様々な想いやインスピレーションが湧き出てくる。それも心がどんどん軽くなるラフな感覚で、いいよねっ☆[゜ー^]
アイトベンハットゥに、廃墟の美学を感じる
朽ち果てた廃墟が好きだ。そこには地球の「近未来SF的終焉」の匂いとイマジネーションがあるからだ。
『砂の惑星』という魅力的な題名の映画があった。そこからヒントを得て、あのJEEP島に『水の惑星』という冠(カンムリ)を付けた。
僕にとってこの島は、大陸が水没し文明が終焉した後の「僅かなる陸地=小さな島」というイメージが最初からあった。トラック環礁そのものが後期環礁として、いずれ水没していく運命にある事も相まって。。
さらに、ケビン・コスナー主演の映画「ウォーター・ワールド」のコンセプト=陸地のない世界からも来ている。
ただそこはディストピアではなく、「ホモサピエンスという種」が終焉した後の、美しく生き生きとした他の生物達だけの静かなる「アフター」なユートピアでもある。
そして近くに沈んでいる沈船が象徴的だ。それはカラフルなソフトコーラルと魚達の営みに覆い尽くされ、いわゆる漁礁となっている。まるで「沈船=人間文明の象徴」としての廃墟を、長い地球の歴史の中で、あざ笑うかのような美しい世界に僕の目には映るのだ。
アーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」を示唆する、目に見える現象=実態のように……。
そして今回のモロッコ。カスバ街道のハイライトは、世界遺産でもある、このアイトベンハットゥ。
ほとんど雨の降らない乾ききった大地に、『水の惑星』とは真逆の世界があり、インスピレーションが続々と湧き出てくる。
そこには時間が土に刻む「朽ち果てたマチエールの美学」があるように想う。
◇ ◇ ◇
※「モロッコの旅シリーズ」は、複数編の海外旅【モロッコ一周 色彩の旅】のカテゴリーに、全編収録していきます。
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