2024-01-16雪景色:ホワイトーン
【シモバシラ:氷の花】初めて見た驚きの造形!(森林公園にて)
今や自然観察で気軽に行ける、マイフィールド化した武蔵丘陵森林公園。やはり住んでる都市部とは違って、自然の密度が濃いのがいい。
特に最近は、東武東上線で川越特急が頻繁に運行されるようになって、とても行きやすくなった。シートも前向きでゆったり旅行気分で。しかも池袋から直行で47分で行けてしまう。(駅からはバスで10分)
そして先日、風の穏やかな真冬の晴天日に直近で行ってきました。こういう行きつけの場所があるっていうのがいいねぇ。初めての所はワクワクするけど、行きつけの所は四季を通じてジックリと見れるからなぁ。
さあ到着だ。広々としていて心も晴れ晴れ~!
前日、HPでこの時期に見られるという花を物色していたら、見つけたのが「シモバシラ」。
ん???
霜柱(シモバシラ)って、普通に見るこの写真のモノしか知らないけど。。これもこの日に森林公園で撮影したもの。
ん~、HPの写真はこれとは明らかに違う。。特別にできるモノなのか?
じゃ~ん! この日見れたのがこれ。なんじゃこれ? 枯れた茎の根元近くに、氷の不思議な塊(カタマリ)が。それも、見れる場所は極々限定されていて、職員さんに聞いてその場所に行ってみたのだった。
さっそく調べてみると、この草の種:シモバシラの茎の根元に出来るらしい。
この草の名前が同名でややこしいのだけど、この種が特にこの現象を創るので、この名前が付いたのだろう。
メカニズムとしては、
草のシモバシラの茎は枯れた状態で冬まで残るけど、根はまだ元気に地中の水分を吸い上げ、茎に水を通し続けている。気温がまだ高い秋は、吸い上げられた水はそのまま蒸発するので、茎はすぐに乾燥する。
でも冬、気温が低くなり、夜間に氷点下まで冷え込むと、この茎に入り込んだ水は茎の表面で凍ってしまう。茎の表面に氷ができると、その氷に向かって茎の中の水が集まってくる。
茎の表面に到着した水は、寒い外気の影響で最初にできた氷を押し上げて凍る。するとまた水が集まり、氷を押し上げてまた凍る。こうして茎の表面でできた氷はどんどん押し上げられていき、しだいに伸びていくのだ。
簡単に言ってしまうと、シモバシラの氷の花は、細いこの茎から染み出した氷が集ったもの。
この現象が起きるのはシモバシラだけではなく、シソ科のカメバヒキオコシや、キク科のアザミなど他の植物でも見られるという。でもやはり同じ名前が付いてるぐらいだから、シモバシラという種がメインだろう。
「氷華」などと呼んでいることもあるらしい。
見られるのは12月中旬から1月上旬までの早朝。特に寒気が入り、夜間に好天で放射冷却現象が起きていることや、前日に雨が降ったりして水分が豊富にあることだという。
いや~、自然のメカニズムって面白いし、こんなにも美しい造形を創るんだなぁと、つくづく感心。。
これはシモバシラの枯れる前の姿。夏~秋に白い小さな花を咲かせて、冬には枯れてしまう。
ちなみに、これが普通に見られる霜柱(シモバシラ)。細い氷の柱が土の粒を頭にのせて密集して立っている。どうしてこんな凍り方をするのか?
以下がそのメカニズム。
霜柱は、土の中の水分が、0℃以下の地表にしみ出して凍ったもの。地表の温度が0℃以下でも、地中の温度が0℃以上なら土の中の水は凍らないので、 地表近くの土が適当な大きさの粒子でできていると、水は毛細管現象で地表まで吸い上げられていく。
吸い上げられた水が冷えた地表で次々と凍り、細い氷の柱に成長するというわけだ。なるほど~。
冬には冬の、他の季節にはない造形があるのがいい。この天高く伸びる葦も、実に見事だ。
◇ ◇ ◇
これまでにアップした森林公園で見た「四季の自然の造形」を以下にまとめました。是非ご覧ください。